私は旅行社のスタッフに、「あなたの旅行社の至れり尽くせりのサービスに感謝します」と言った。この時がまだ午後3時半、私たちの飛行機は6時50分発だった。
もしも私の体調が良く、事前にこんなに時間があると知っていれば、空港に来る前にイズミールの他の所も見られたかもしれない。たとえば歴史博物館とか。しかしもう手遅れだ。
カウンターの前は空いていた。しかし早すぎたのだろう、搭乗手続きはまだ始まっていない。
だがカウンターの向こうにいた女性係員が私たちを呼んだ。
彼女は搭乗手続きをした後で、「あなたがたの搭乗口はナンバー4です」と言った。
2カ所のX線検査を通って、大きなラウンジに出た。さらに枝分かれして小さな搭乗待合室が幾つもある。
私たちは101、102、103、104の搭乗口のある小さな待合室に出て、長い椅子に座って休んだ。
息子を店に行かせて、ミネラルウォーターを買ってこさせようとしたが、息子は見つけられず手ぶらで帰ってきた。だから、私は自らカフェテリアに行き、ガラスの冷蔵庫の中に見つけた。
水を買って帰り、「あったよ、店の人に聞かなきゃ!」
私たちは長椅子の上で休み、息子は数学の参考書を広げた。
最初、待合室には人がいなかったが、だんだんとアラビアの国々の家族連れがたくさんやって来た。
私は、幼い子供を連れた若い夫婦に気が付いて、その人たちのために、長いすの端っこに移動した。
男性が、「Thank you !」と言った。
時間はゆっくりと過ぎていき、とうとう6時半になった。私たちの目の前のゲート104には20人以上の列ができていた。私は並ぶのがおっくうで、列の最後尾になってもいいと思い、あわてず椅子に座っていても良いだろうと考えていた。
しかし、6時50分出発の搭乗手続きがまだ始まらないので、私は心配になった。小さな待合室は人で一杯になった。
この時、空港の女性職員のアナウンスが聞こえた。その声は言っていた.
「Mr.and Mrs. Sugiura! This is the last call, This is the last call! 」
私はビックリした。搭乗を待っていたのにどうして呼ばれているのだ?
私は立ち上がり、息子の顔を見た。
息子も英語のアナウンスを聞き取っていた。
息子は平然として、「彼らは間違ってるよ、僕らは夫婦じゃないのにね。Mr. and Mrs. だなんてね」と言う。
その顔には英語が聞き取れたという嬉しいという気持ちが表れていた。
息子は椅子に座ったままで、私たちが置かれた危機的状況が飲み込めていない。
まさにこの時、目の前に、一人の中年の男性職員が通りがかったので、私は彼に向かって、「Excuse me !(すみません!)」と言った。
私は右の人差し指を天井に向けて指し示し、彼に放送を聞いてくれとたのんだ。
アナウンスは数回繰り返されて、係員は状況が分かって、顔色が変わった。
彼は私たちを呼ぶと、4番ゲート?に案内しようとする。
そこで私は息子に立つように言って、私たち三人は死にもの狂いで走り出した。
4番ゲートと言われて、104番で待っていたが、004番とか何とか別の場所だったのか、あるいは搭乗ゲートの変更があったのかもしれない。
大変な失敗をしてしまった!