私たちは電車に乗ってスルタンアフメット駅に戻った。
 電車を降りると日が沈んだ。
 ローマ競技場をホテルに向かって歩いていると、一つの方向から礼拝の時刻を告げる大きくて澄んだ男性の歌声が聞こえてきた。寺院の尖塔の上から拡声器を使って流している。
 この時、また別の寺院からも歌声が聞こえてきた。
 後にインターネットやガイドブックで調べると、このアザーンはアラビア語で歌われていてトルコではトルコなまりがあるという。
 朝日新聞の記事では日本製の拡声器が使われることが多いという。
   
  アラーは偉大なり。(4回あるいは2回)
  アラーの他に神は無しと私は証言する。(2回)
  ムハンマドは神の使徒なりと私は証言する。(2回)
  いざや礼拝に来たれ。(2回)
  いざや成功(救済)のために来たれ。(2回)
  アラーは偉大なり。(2回)
  アラーの他に神は無し。(1回)
   
 早朝礼拝のときは途中「礼拝は睡眠に勝る」が2回加わる。以上はスンニ派のもので、シーア派のアザーンでは、途中、
  いざや至善の行為のために来たれ。 (2回)
が入るという。イランやアフガニスタンのシーア派のアザーンには
   
  アリーがアラーに続く方であることを私は誓います。( 1回 )
  アリーがアラーの証明であることを私は誓います。(1回 )
   
 というようにムハンマドの後継者がアリーであると主張するフレーズが入っているそうだ。
 皆さんご存じのようにスンニ派とシーア派の違いは誰がムハンマドの正当な後継者かという点にある。
 付け加えて言うと、トルコはスンニ派だそうなので、アザーンはそのように短かったはずだが、私たちにはとうてい分かるはずもなかった。
   
 二人の歌声は混じり合ってハーモニーになった。
 私は今まで、こんなに大きく澄んだ、はっきりとした、かつ美しいデュエットを聞いたことがない。
 歌声は1分ぐらい続いた。
 通りは仕事帰りの人が多く、混雑していた。しかし辺りは日没後ののんびりした雰囲気で一杯だった。

スルタンアフメット通りのロカンタ。

ホテルの周辺のひと気のない路地から
マルマラ海を望む。

ホテルの隣の基礎は思いがけなくもビザンチン帝国の城壁のようだ。しかもトルコ文字の表札が着いていて、かつレンガでつぶしてある。少なくとも三つの時代が重なっている。

トルコ文字だろうか?はたして
アラビア文字だろうか?コーランならば
撤去するのはバチ当りなことなのだろう。

隣の建物の基礎

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