私たち三人は50メートルぐらいを全速力で走り、男性職員が搭乗口の女性職員に叫んだ。
 私は搭乗券をその女性職員に渡すと、彼女の対応を待ちもせずに、全力で飛行機に向かった。
 飛行機の入口のスチュワーデスは私たちを一目見ると、私に席を教えた。
 そこで、すでに着席を終わった乗客のそばを通って、一人のスチュワーデスが待ち構えている席にやって来た。
 彼女は私の顔を見て、「Ticket  please ! 」と言った。
 この時私は自分の搭乗券を持っていないことに気づいた。
 私は、「No, I don't have . (持っていません)」
 と、彼女はビックリして口をあんぐりと開いた。まるで世界にこんなおかしな事があるものかという顔である。
 そこで、英語でチケットは搭乗口の職員に渡したことを伝えた。
 私の話は、4センテンスも5センテンスも使ってようやく説明できた。
 その間に、息子がチケットを手にして私たちの所にやって来た。
 私とスチュワーデスはホッとした。
   
 私たちの席は三人続きの窓側二つだが、通路側の席には一人の男の子が座っていた。
 七つ八つぐらいだろうか。その子の皮膚は浅黒く、髪の色は黒く、目は大きい。たぶんアラビア系かトルコ系だろう。
 わたしが、「Excuse  me !」と言っても、意味が分からないらしく、彼は立ち上がらない。
 そこで、私と息子はやっとの事で座席の背もたれと、男の子の膝頭(ひざがしら)の間を縫うようにして席に着いた。
 どうしてスチュワーデスは男の子を立たせないのか分からない。彼女も男の子の母語が話せないのか。
   
 私たちが席に着くと、飛行機はすぐに離陸した。
 イズミールからイスタンブールまでは1時間かかる。そこでスチュワーデスは大急ぎで乗客に夜の機内食を配った。
 スチュワーデスの一人がまず男の子にサンドウィッチと紅茶を配った。
 続いて私に飲み物は何が良いかとたずねた。
 私はオレンジジュースをたのんだ。
 彼女が私に、プラスチックのコップに入ったジュースを渡すと、男の子は目を大きく開いて、まるでその子はオレンジジュースが好きだったのに、どうやって頼めばよいか知らなかったとでもいうかのようだった。
 どうしてスチュワーデスは、小さなお客様に飲み物は何が良いか聞いてやらなかったのだろうか?
 トルコ人は外国人に対して親切だが、同じ国の人や、子供に対して親切ではないのか? あるいは男の子がアラビア人で女性乗務員はアラビア語が話せなかったのか?
 私がジュースを飲むのが、男の子には気になっていると思うと、私としては居心地が悪かった。
 でもパンはとても美味しかった。
 飛行機はすぐにイスタンブールに着くだろう。
   
 予約してあるホテルは前に泊まったホテルと同じだ。
 3泊する予定だ。ゆっくりできると思って私はホッとしていた。
 よく眠れない夜行バスの旅、炎熱のアナトリア高原、下痢をして入院するという様々な経験をした!
 もう一回言おう、ついに我々の不安に満ちたアジアサイドの観光が終わったのだ!

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