私たちは次の観光スポットに車で向かった。
 私は息子に言った。「スケジュール表にスターウォーズ 映画って書いてあるの見た? こんなに暑いから、私たちは室内で映画を見るのかしら?」
   
 息子はぶっきらぼうに答えた、「お母さん、言っていることがおかしいよ。よく見てごらんよ。Star Wars Movie Set (映画のロケ地)!」
 私は驚いて、「そうなの!」
 私は面白いなと思った、「スターウォーズのどの場面かなあ?」
   
 白いミニバスがやって来たのは、遙か遠くに低く岩山が見えるだけの、何も建物のない辺り一面の農地だった。しかし、私たちの目の前には巨大なシュークリームのような岩山があった。
 高さは60メートル以上はあるだろう。
 空はどこまでも晴れ渡り、ひとかけらの雲もない。
 真っ青な空をバックにした巨大な岩山には人を威圧する気迫があった。
 私たちのバス以外にも、2、3台の観光バスが来ている。
   
 グループはバスを降りると登山を開始した。
 道路から岩山の麓まで、30メートルそこらは白い砂の登り坂だ。気温は40度を超えている。ウォーキングシューズは乾いた白い砂にまみれた。
   
 私はこんな高い岩山には登れないぞと感じた。というのは、何の病気なのかわからないが体質的に食事をした後でしばしば坂を上ることなどできなくなるのだ。
 そこで、岩山の下に来たとき、岩の下の方にある洞窟の中で休んでグループの帰りを待つことにする。
 彼らの隊列は小さな岩山と大きな岩山の間の坂道を上っていった。
 そしてとうとう小さな岩山に隠れて見えなくなった。
   
 私が休んだ洞窟は思っていた以上に暑かった。
 私は周囲の景色を見回した。そしてだんだんみんなと一緒に行かなかったことを後悔した。そこでみんなの帰りを30分以上も待ったのだった。
   
 とうとう彼らが降りてきた。
 私一人、面白くない様子でいるのは見せたくないので、愉快そうな顔をして、拍手して迎えてやった。
 列の頭にいたアメリカ人の学生はちょっと嬉しそうだったが、すまないねという顔をした。
 彼の顔にどうして一緒に行かなかったのかという疑問の色が浮かんだ。
 そこで、「私は疲れているの」と言った。
 彼は、「僕は日本に行ったことがある。豊田にも行った」と言った。
 私は、「トヨタは名古屋の近くにあるのよ。トヨタは・・・・・」私はあまりにも疲れていたので目眩(めまい)がした。
 それ以上会話を続けることができない。
 私が疲れ切って返事をしなくなってしまったのだと、無視するつもりではないのだと分かってくれたのだったら良いのになあ。
   
 息子は下りてくると報告した。
 岩山をくり貫いた洞窟住居と教会を通り抜けると、岩山の中腹のテラスに出たそうだ。
 洞窟の中はヒンヤリしていて外から吹き込んでくる風がさわやかで、景色がとてもきれいだったそうだ。
 そこで私は言った、「お母さん、失敗したね。行かなくって後悔してるよ」
 しかし息子は、慰めてくれた。
 「洞窟の中にはたくさんの穴があってね。ものすごく危険なんだよ」
 私には、この山がスターウォーズのどの場面に出てくるのか分からない。
 岩山の中の洞窟で撮影したものか?
 この岩山をバックに撮影したものか?
 暇なときにでもDVDを見て調べてみたいものだ。

セリメ村のスターウォーズロケ地。シュークリームのような重量感のあるころりとした岩山。

岩山の登り口で見下ろすと、横付けされたミニバスから観光客がパラパラと登ってくる。

岩山の内部

途中の窓から見下ろすと遠くの村が見える。足もとは墓標もまばらな新しい墓地。

セリメのカテドラル(聖堂)

さらに上の開口部から外を見ると。

下で待つ私の所に皆戻ってきた。下で待っている麦わら帽子のガイドさん。

右が聖堂のある岩山。左が岩山の瘤程度の大きさの岩。ここにも穴があったので中で待っていたが40℃は超えていた。

セリメ村にある、セリメのカテドラル(聖堂)と呼ばれている洞窟教会のある巨大な岩山。

セリメカテドラルの券売所。管理人の姿はなかった。

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