トルコに来て最初に見に行ったのはブルーモスクだった。
 この寺院は大きくて6本の高い尖塔がある。遠くからでも見ることができ、白い建物がトルコの真夏の空に栄えてくっきりと美しい。
 門をくぐると中庭は広くて建物の大きさは見る者を感動させる。
 参拝する人はスカーフをかぶり、靴を脱がなければならない。私たちは礼拝堂に入った。
 床の上には赤い絨毯が敷かれている。いくつもの小さなドームが集まってひとつの巨大なドームを形作っている。ドームには2百以上ものステンドグラスの窓がある。
 礼拝堂の中には百人以上もの観光客がいた。彼らは非常に感動しているようにみえた。
 私は絨毯に座って天井を仰ぎ見た。
 建物の中はとても美しいのに、あまり感動しなかった。あまりにも疲れていたことと、混み合っていて騒がしかったせいだ。
  
 私たちは忙しく礼拝堂を離れた。
 出口にはイスラム帽をかぶったひとりの若い男性がいて私たちにカゴをみせた。カゴの中にはいろいろな紙幣や小銭が入っている。たぶん寺院へのお布施であろう。
 お布施の金額は好き好きで、そこで私は5ユーロ紙幣を中に入れた。
 男性は台の上の何種類かの束にした札を手に取ると、忙しく数えてから何枚かの紙片を渡してよこした。
 紙片に印刷してある数字を見て気がついたのは、彼は、お布施をした人に領収書を渡さねばならないということだ。5ユーロもの高額(?)の領収書がないため、合わせて5ユーロ分の紙片をくれたのだ。
 出口でその人に「絨毯(じゅうたん)博物館はどこにあるんですか?」ときいた。しかし、彼は知らなかった。ガイドブックは絨毯博物館はブルーモスクのそばにあると書かれている。
 「だったらどこを見に行こうか?」
 モスクの東にある芝生の中の道を歩いて行くと、若いトルコ人男性が近づいてきて、イスタンブールの観光スポットの絵はがきを見せた。
 ユーロしか持っていないよと言うと、ユーロでもいいよと言う。そこで高額の50ユーロの紙幣を払った。彼はおつりをトルコリラでよこした。
  
 次に見るものは、数百メートル先のアヤソフィア大聖堂(Ayasofya)だ。
 公園を通り抜けていくと、木陰に屋外レストランがあるのを見つけた。
 私たち以外には客はいない。今、午前11時ぐらいだ。昼ご飯には早すぎる。しかし、テーブルに近づくと黒い髪の若いウェイターがすぐにやって来た。
 私はたずねた、「日本の円で払うことができますか?」
 ウェーターは「OK!」と言った。
 私たちは深紅のクッションの椅子に座った。テーブルはガラス張りである。そこからは遠くのブルーモスクがのぞまれた。木陰は涼しくて気持ちがいい。上手に焼いた肉はおいしかった。
 私たちは元気がでてきた。
 テーブルの下には数匹の子猫がいて、食べ物をねだった。私たちは楽しく過ごした。
  
 そのあとでアヤソフィアの入り口までやって来たが、入場券売り場は長い列ができていた。そこで、この日は大聖堂は参観せず考古学博物館を見ることにした。
 その道はロマンチックだった。ここは世界遺産歴史地区で、樹木が多く、小さなホテルが多い。しかし、通行人は少ない。
 気温は高いが気持ちの上ではのんびりとする。
 ホテルの庭の椅子には人影はない。
 ゆるい坂道をくだったり、のぼったり、人影のまばらな考古学博物館の門にたどりついた。
 欧米の白人女性たちがチケット売り場にいるのが見えた。

 

ブルーモスクの門

モスクの内部

ヒポドロームそばの屋外レストラン

ブルーモスクの尖塔をバックに

レストランカウンター

おねだりする猫

焼き肉の盛り合わせ

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